この冬は暖冬だから、スタッドレスに替えなくてもいいんじゃないかと、カーディーラーに言われ、真に受けたうちの閑栖和尚は、結果、後悔するはめになった。
今は一月中旬。年末から数えて、すでに5度は積雪したのではないだろうか。
私が子供の頃には、50cmを超える雪も降ったこともあるし、かまくらも作れるほどだった。それを思うと昨今は明らかに地球温暖化の影響を目の当たりにしているのではあるが、この冬は思いのほか、近年にない大雪の冬である。
雪があまり降らないようになったので、竹藪の竹まで弱ってしまって、たかだかこのくらいの雪でごらんのありさま。近くの河原の堤防の竹林もことごとくお辞儀している始末。
もともと、竹は雪の重みで頭をもたげても、しなってその重みに耐え、そして雪が解けると元の姿に戻ることから、人もそれを見習い、辛いことがあっても柔軟にそれに耐え、いずれは元の姿に戻れるのがいいという譬えにされるくらいだが、近ごろの竹は雪の重みに耐えられず、折れてしまうこともしばしば。
だが人だけは折れてしまわないように、このご時世を生き延びていきたいものである。
それにしても可哀想なのは竹藪の前で、年中ひたすら坐っている達磨さんである。
竹の雪を落してやると、ほらこのとおり。しかめっ面の達磨さんが登場。
しかしまぁ、冬は雪が降って然り。夏は暑くて然り。春夏秋冬、四季があるのはうれしいことである。
雪かきをしていると、檀家さんが雪の中をおして墓参りに見えた。まだ墓への通路は雪かきを終えていないのに、カメラをかかえて遊んでいる自分が少々情けない。