カジュラホの寺院群は、大きく西群、東群、南群に分かれます。
ホテルにチェックインした後、ぶらぶらと歩いて、まずは東群・南群の寺院を目指す事にしてみました。
ホテルの敷地を出た瞬間から、日本語を巧に操る少年達がついてきて、話しかけてきます。
「ガイドはいりません、何も買いません」をモットーに、そしてうだるような暑さの中を歩いているので、面倒で半ば無視していると、
「最近の日本人は冷たい。日本のおばさん達はいっぱい話してくれるのに」。
「しゃべり方からして関西人でしょ」。
「ただ日本語が勉強したいから話したいだけなのに、なぜ無視をする?はぁ…(大きなため息)あなたたちは全然しゃべらずに、私ばかり喋っているのでつまらないよ」と、延々話は勝手に続きます…。
「だってお金いらないと言って後からガイド料請求したり、騙すインド人も多いからね」。と、はっきり伝えると、「インド人だって十人十色!!!なぜそんなこと言うの!」とお叱りを受けました…。確かにそうですね。
にしても、既に日本語を勉強する必要など無いではありませんか! 「すごいことわざ知ってるね!」と言うと、うれしげに「ことわざ勉強しています」。
私 「それだけ話せるなら、ガイドとかして仕事すればいいのに」。
彼 「前してました。でも今は遊びたいからしないんです。日本人働きすぎ。私たちは畑持ってるから、遊んでいても食べていけます」。「あなた達何歳ですか?何してますか?」
私 「大学生(大うそ)」。
彼 「えーっ、いくらなんでも大学生には見えないね~」。
私 「……」。
海外で適当に学生と言うとたいがい通じるのに、さすがはインド人、あなどれません。だてにたくさんの日本人と話していません。優しく騙されてもくれません。
インド旅行といえば、「インド人に騙されて高い料金支払った!」。「日本語で話しかけてくる人には気をつけて!」などということばをよく耳にします。
私も個人旅行では常に警戒心を持っています。
ですが、07年、08年とインドを旅して思うのは、ただ単に日本語で話したい、日本人に色々教えてあげたい…という人も多いという事です。これから何度でもインドへ行きたい私。インド人を観る目を養わねば。
話は変わりますが、インド人に「畑があるから仕事をしなくても食べていける」と、とてもシンプルな事を言われて、色々と考えさせられました。
永源寺の篠原老師がDVD収録でもお話されていた、「Back To The Basic! 」を思い出しました。老師は、「お百姓さんが一番偉いんです。人は自分で食べる物は自分で作って…というのが基本。今後の世界では、これが大事になりますよ…云々」と言われて、僧堂でも自ら先頭に立って畑を耕され、炭を焼き、昔ながらの生活を続けられています。
世界に何か天変地異が起こり、いくら経済が発展していようが、お金があろうがそんなものは関係も無くなった時、食糧も確保できない、清潔好きすぎる現代日本人は一番弱いのでは?!と思わざるを得ないのでした。