17Cに、ンガワン・ナムゲルがブータンに来て初めて居を構えた場所。
ンガワン・ナムゲルは、チベット人ラマ僧で、1639年にはチベットとの戦いにも勝ち、政治・宗教上でのブータン初の指導者とも言える重要な人物。
中には彼の像があるが、ある日その像が話したのだとか・・・。
「前にある川から水を飲むので、窓を開けておいてくれれば、水を供える事はない」と。
窓の開いている部屋があるのが、上の写真からも確認できる。確かに川が流れている。
どういった意図があってこの伝説(本当かもしれないが)が生まれたのかは不明だが、何らか意図する所があるのだろう。
ナムゲルの像を前に、やはり3回五体投地。その後、お坊さんが美しく細工が施された銀製の水差しからサフラン水を我々の手に少し与えてくれる。それを頭や額にひたすのだ。御利益があるとか。
どの寺院に行ってもこの3回の五体投地とサフラン水(あるいは普通の水)の儀式は行なわれた。
ひたすら座ってお経を唱えているよりも、体を動かし一心に五体投地を行なう方が意識を集中させやすいような気がした。
この杉の大木は、ナムゲルがブータンを訪れた際に杖がわりに使ったものがここまで育ったのだとか。どこかで聞いたような話だ。
日本でいえば、弘法大師さんが使っていた杖を地面に挿したら根が出て大木になっただの、西行法師杖突の桜だの、親鸞聖人の銀杏の杖突の大木だのといった話がたくさんある。仏教繋がりというわけで、このような似た話があってもおかしくはないのだろうが、実際聞いて目にするととても親しみを持ってしまう。
(N.K Wrote)