花のかんばせ -樂美術館-

花のかんばせ_樂美術館

京都市上京区にある、樂美術館を訪れました。
現在、-樂歴代 花のかんばせ-と題して、花にゆかりのある樂家のお茶碗がお目見えしています。
>3月29日(日)まで。
花の形をしたもの、花の文様が描かれたり彫られたりしているもの、ご銘に花の名がつけられたお茶碗などなど。
いわゆる“京の底冷え”のこの日、館内は既に我々が待ちこがれる春の陽気に満ち溢れていて、自分の心までもが暖かい春の日差しに触れたようでした。


梅衣
霜の朝の梅衣

五代宗入作の黒樂、銘は“梅衣”(蝠髄寘ヨ書付)。
咲いた梅でもなく、もうまもなく咲くようなふくよかなまるみを帯びた蕾ともまた違う、開くにはもう少しかかりそうな梅の蕾を思わせるような茶碗だからでしょうか。“梅衣”とはなんとも風情あるご銘です。
表千家8代(1744-1808/江戸時代)蝠髄寘ヨ宗匠がこの茶碗をご覧になり感じられた事を、時代を経てまた私が感じさせていただけるという事を、とても有り難く思うのでした。
樂美術館

*樂美術館を訪れた際は、是非、館内のいたる所に生けられた花もご覧になって下さい。お玄関、1階、2階、地下の御手洗への階段途中、お手洗いの中、どちらの花もとても素敵なのです。
なかなか、訪れた美術館やお店などで、全ての花が美しく生けられていてため息をつくような…という事は無いものですが、こちらでは、おもてなしの心が館内に行き届いています。いつも展示品のみならず、花も楽しみにでかける私です。
それにしましても、こちらの美術館は、館内中に良い“気”が満ちていて、いつも帰る時には、まるで気持ちの良いお寺や神社へお参りした後のように清々しい気分になれます。