命の絆とは -自殺者年間3万人、11年連続に-

命の絆とは

不景気、派遣切り、世界規模での不況で、世の中真っ暗。
年間3万人を超える自殺者が連続11年を記録した。驚異の数字である。
年間3万人というと、単純計算でも一日82人もの貴重な命が断たれているわけである。
個人的には、国が定額給付金をばらまくよりは、この貴重な命を救うために、より的確に使うべき方法を考えるべきではないかと思えてならない。
我々、人は誰でも必ず両親から生まれて来ており、それは人類が発生して以来、まぎれもなく途切れたことはないのである。つまり自分は、途方もない数の祖先の一人でも欠けていたならば、この自分はこの世に有り得ないのだ。これが命の絆(きずな)というものだ。
こうしていただいた命、簡単に捨てられるものではないはずだ。
「人類みな兄弟?」という記事があがっていたが、まさにそのとおりなのである。
他にも、このブログの右にある検索枠で「命」と入力して検索していただければ、いのちについて考えている記事も少なくない。
そして、この自殺者の途方もない多さに、禅の立場からなにか手を打つことはないかと考え、一昨年から制作して販売を始めた一つが、下記のDVDビデオである。


DVD「禅僧が語る」(禅文化研究所刊)

  • 「一筋がよし寒椿」 妙心寺 東海大光管長
  • 「手を放て」 萬福寺 仙石泰山前堂頭
  • 「恨みにつく」 永源寺 篠原大雄管長
  • 「瞬間を生きる」 相国寺 有馬賴底管長
  • 「一つになれ」 建仁寺 小堀泰巌管長

ここに登場いただいた管長様がたは、宗門を代表する高僧方であるが、通常はテレビやラジオのメディアにあまり登場されることはない。
修行僧や檀信徒に向けての講座などでお話をされることはあっても、一般の人がそのお話を拝聴することは少ないのである。
己事究明(自己研鑚)を主眼とする禅の立場からか、他人に己事究明を促すことは二の次のようにされてきたのも事実であろう。
しかし、とくに指導者である高僧方には、十牛図にもある「入てん垂手」(にってんすいしゅ)、四弘誓願の「衆生無辺誓願度」の精神をもって、悩める民を救ってもらわねばならないと考えた。
そして、管長様方に、この時代を生きていくために、どうすればいいのか、また管長様方はどうやって生き抜いてこられたのかをお聞きし、お一人ずつ50分程の見応えのある映像となった。
できるだけ多くの方に見てもらいたいがために、価格もちょっと無理をしたというのが本音である。
どうか一人でも、このビデオを見る機会を得て、わが人生を見つめ直してもらい、貴重な命が失われなくて済めば幸いだと思う。