平成18年秋~冬の新刊

禅文化研究所編集部より、現在編集中の、この秋から初冬にかけての新刊3冊をご紹介します。
 『訓読 五灯会元』全3巻  訓読・能仁晃道……―中国禅宗祖師の列伝―。初の全文訓読、詳しい人名索引付。
 『臨済録をめぐる断章 ―自己確立の方法―』 西村惠信著……語録の王『臨済録』を一般人のために平易に説く。
 『道元禅師 正法眼蔵行持に学ぶ』 石井修道著……『正法眼蔵行持』を全訳、詳細な解説。
 
まずは・・・
『訓読 五灯会元』全3巻  訓読・能仁晃道
 『五灯会元』は、『景徳伝灯録』以下、『嘉泰普灯録』に及ぶ五つの禅宗灯史(五灯)の重複を整理し、集成して一書としたもの。過去七仏に始まり、南宋に至るまでの諸祖の伝灯の次第と機縁の語句を収める。簡にして要を得た編纂の巧みさと、五家七宗に分類された構成の整斉さは、古来より高く評価されている。本書は灯史の決定版として広く流布し、禅を語る者は多く本書に拠ったという。我々も、本書の中からあまたの著名な公案を見出すことができるであろう。
 今回、初めて全文に訓読を施し、さらに全ての漢字に振り仮名を付して通読に便ならしめた。さらに、巻末には、号・諱・地名から引ける人名索引を付した。
B5判上製函入・平均700頁・分売不可・予価 52500円(税込)


つづいて、
『臨済録をめぐる断章』 西村惠信著
  語録の王として珍重されてきた『臨済録』は、もともと禅門修行者のためのテキストで、その格調はすこぶる超俗的である。それをいま一般人のために平易に説いて、現代人の「自信」を喚起させようとする著者の細心が全編に漲る。
 同じ著者の『無門関プロムナード』とともに、広く一般読書人に薦めたい。
 『無門関プロムナード』の姉妹書として、広く一般の方々にもお読みいただけるものである。
四六判上製本・約288頁・予価2,415円(税込)
 最後に・・・
『道元禅師 正法眼蔵行持に学ぶ』 石井修道著
 道元禅師の主著『正法眼蔵』の行持の巻を、原文に即して、全文を紹介し、全訳して、道元禅師の素材である出典を確かめたもの。
 取り上げられる仏祖三十五名は、道元禅師にとって重要な祖師ばかりであり、詳細な解説を通して、道元禅師の祖師像が明確になっている。
 『中国禅宗史話―真字正法眼蔵に学ぶ―』(禅文化研究所・一九八八年)の姉妹編と言える。
B6判並製本・約600頁・予価2,415円(税込)/駒沢大学出版助成
 それぞれの定価は予価で、また書名も仮題ではありますが、ご予約をお待ちしております。