妙心寺開山650年大遠諱へ その1


妙心寺開山650年大遠諱

大本山妙心寺の開山無相大師650年遠諱法要にお参りする遠諱団参のために、先日、自坊の檀家さんたちを引き連れてお参りしてきた。
法要は一日3回に分けて行なわれるのだが、自坊の教区は、午後2時からの第3回目。そのため、朝から大型バスで出発して、まずは、現在、京都国立博物館で開かれている「妙心寺展」を観覧してきた。

妙心寺展(京都国立博物館)

高速道路が自家用車で1000円で走れる割引が適用されたため、朝から、名神高速の交通量は多かったようだが、それでも予定通りに開館時間に到着し、朝一番から妙心寺にまつわる宝物をじっくり見てまわることができた。
無相大師や花園法皇の書、東海庵、龍泉庵、聖澤院、霊雲院という四本庵の開祖の頂相などをはじめ、白隠禅師の書も多く展示されていた。また、狩野派の金箔の上に立体感溢れて描かれた障壁画は、おもわずしばらく立ち止まって見入ってしまった。
ただ、会期前期には、有名な龍虎図や瓢鮎図は展示されていなかったので、その点が残念だった。後期にもう一度訪れたいところである。
我々と同じく、遠諱団参にいく前に来られている、同じ教区のご寺院の檀家さん方も多かったからかもしれないが、途中、花園法皇と無相大師の木像の前では、手を合わせている姿も見られた。



妙心寺山内をいく

妙心寺展を後にして、一路妙心寺へ。バスを降りると、本山の和尚さんが両脇でお出迎えいただく中を南総門より境内へ入る。五色の幕がはためいている法堂を横に、まずは四本庵の一つ、霊雲院を拝観した。ここは通常非公開である。
方丈で般若心経一巻をお唱えして全員が焼香をさせていただき、担当の布教師さまから霊雲院についてのご説明をいただいた。ここ霊雲院の前の御住職はあの山田無文老師であり、自坊の檀家さんたちにとってもなじみの深いお名前であるから、親しみを感じて無文老師の木像に手を合わせていた。

退蔵院の余香苑

その後、塔頭の退蔵院において妙心寺御用達の「阿じろ」の精進料理をいただく。
方丈に整然と並べられた赤膳に向かい、退蔵院の寺庭様からお寺のご紹介をお聞きして、お料理を頂戴したのち、退蔵院の余香苑という庭園を拝観する。造園家・中根金作氏の設計の新しい庭であるが、咲くと美しいであろう枝垂れ桜の開花には少し早かったようだ。
余談だが、中根氏が作庭された有名な庭に、出雲の足立美術館の庭園がある。
さて、檀家さんたちは、本山から頂いた遠諱記念の若草色の輪袈裟をして、いよいよ法要へと歩を進めることになる。
つづく