きらめく朝鮮の技 -高麗美術館-

きらめく朝鮮の技 -高麗美術館-

日本も大きな影響を受けた韓国文化への親しみ、尊敬の念を、いつも再確認させてくれる美術館。京都市北区にある高麗美術館を訪れました。
現在、“きらめく朝鮮の技”と題して、螺鈿漆器と象嵌青磁を中心とした展覧が開催中です(6/28まで)。
今回一緒に訪れた友人は、前回の私の記事の写真を見て「もっと山の中に在るような美術館かと思ってた!」と。確かに写真を見ると、屏も韓国風、そして韓国の石文化をその小さな空間で見事に表現した庭に、山奥か、韓国の田舎のような所にある空気を感じるのかもしれません。
実は、京都市北区の閑栖な住宅街の中に、いばるわけでもなく、ひっそりと、でも美しい空気を醸し出して存在しています。こちらの美術館の庭は、私の知る限りでは美術館の庭としては一番小さな庭かもしれませんが、物理的な大きさなどは関係無く、心が感じる広さは無限大。とても素晴らしく気持ちの良い庭です。


今回の展示では、螺鈿細工の逸品が見られるという事で、お世話になっているある骨董屋のおじさんを思い出しました。韓国文化に造詣の深い彼は、ひと目見て「あれは沖縄、あれは朝鮮のものや」と、よく螺鈿細工のものを見る時に私に教えて下さいました。
いまだに不勉強な私には「???」ですが、数見ていたら目が、心が、勉強するかな…。などと思いつつ、解説を読みながら韓国の螺鈿を存分に楽しみました。
韓国には、いまだに昔からの技法を受け継ぐ人間国宝がいらっしゃるとの事。今度韓国へ行く時はそのあたりを調べてからでかけたいものです。
また、中国や韓国の螺鈿細工を見てから、日本の黒田辰秋さんの螺鈿などを見れば、一層理解が深まるような気がしました。

司馬遼書 韓国の石文化