根来寺 -和歌山-


根来寺 大塔と伝法堂

紀州の観音霊場、紀三井寺と粉河寺参詣のあと、根来塗発祥の地である根来寺にお参りした。
新義真言宗の総本山である根来寺は、その巨大勢力を危ぶんだ秀吉の焼き討ち、いわゆる「根来攻め」にあうまでは、寺領2万石、山内に450もの末院を有して僧兵が1万人もがいたような、一大寺院、というより一大宗教都市であったようである。後に紀州徳川家の庇護を受け一部復興をとげたという。
上の写真の左の大塔は焼き討ちからは逃れたもので国宝に指定されている。日本最大の多宝塔ということであるが本当に美しい建物である。内部は円形の内陣があり大日如来を中心に十体ほどの仏像が取り囲むように配置されている。薄暗い内陣に外からの光が差し込み、息を飲むほど美しい情景にひとときみとれてしまった。
となりの伝法堂には、本尊三尊像(大日如来・金剛薩蝓オ・尊勝仏頂尊)が安置されている。大きな仏像だったが、とても静謐な空気が漂っており、参詣者は多かったが誰もが静かに坐って御本尊に見つめられていた。
尊勝仏頂尊という仏様にははじめてお目にかかった気がするが、実際、とても珍しい仏像だという。

根来寺境内に咲くシャガ

根来寺境内に咲くシャガの花。
広大な境内には清流があって、新緑のもみじが美しかった。

新緑の根来寺境内