青楓の頃と紅葉の頃、京都市の上京区役所が主催して年に2度行われる上京茶会。
今回は日蓮宗大本山妙顕寺で開催され、前日夕方より降り続いた雨もやみ、盛会でした。
本席は表千家不審菴、副席は表千家の先生によって釜が掛けられ、茶券は1000円。近所の子供やお年寄りも、気軽ながらも本格的なお茶席を楽しめる良い機会となっています。
また、普段公開されていないような寺院が使われる事も多く、私も毎回楽しみに訪れています。
さて、今回の茶会が開催されたここ妙顕寺は、私にとってとても思い出深いお寺です。
表千家の家元が主催する短期講習会に参加した際、こちらで仲間と寝食を共にし、家元と寺を往復する日々を過ごしたのです。
早いものでもう6~7年ほど前の話になりますが、“本物”に触れ、京都へと導いてもらうきっかけとなった短くも意義ある1週間の修行は、私の人生を変えるほどに大きな影響を与えてくれたのでした。
食事をいただく前に必ず唱和した“食前要文”。友と語り合いながら眺めた庭。本堂へお参りすると、朝のお勤めの時から既にひどかった膝の痛み(正座のしすぎ)を思い出し苦笑い。
どれもこれも懐かしく、新緑の中でいただくお茶に、思い出が胸いっぱいに広がりました。
最後に“食前要文”を…。
天の三光に身を温め
地の五穀に精神(たましい)を養う
皆これ本仏の慈悲なり
たとえ一滴の水一粒(いちりゅう)の米も
功徳と辛苦によらざることなし
我等これによって心身の健康を全うし
仏祖の教法(おしえ)を守って
四恩に報謝し奉仕の浄行を達せしめ給え
隠れた桜の名所です。