平林寺 -埼玉県新座市-


平林寺_山門

9月にフランスで行なわれる第11回東西霊性交流への禅僧派遣依頼のため、埼玉県新座市にある平林寺(へいりんじ)を訪れた。
平林寺は、武蔵野の一角、野火止台地に15万坪に及ぶ境内地を有する臨済宗妙心寺派の名刹である。東京都に隣接し、開発化されている周辺と比べ、緑豊かな境内林に覆われている静寂な一帯は、別世界の趣きである。
総門から山門、仏殿と続く伽藍は、禅宗様式の端正な佇まいを備えている。平林寺のシンボルといわれる茅葺きの山門に掲げてある扁額は、京都詩仙堂の石川丈山筆によるもので、「凌霄閣」と記してある。


平林寺_仏殿
仏殿

山門をくぐって右側にある高野槇は樹齢600年を数えるという。仏殿は唐様の建物で、間口6間の小じんまりとした造りだが、バランスの良い美しさを備えている。
境内には江戸時代に作られた野火止用水が流れ、建造物の奥には国の天然記念物に指定されている境内林が続くわけだが、次の訪問地に向かうため、ゆっくりと拝観できなかったのが残念であった。
平林寺_高野槇
悠仁親王の御印 高野槇