天寧寺 -京都・曹洞宗-

天寧寺 額縁門

秋晴れかとみまごうような青い空、カラッとさわやかな気候のとある日、自転車で寺町通の鞍馬口を下がったあたりを走っていると、立派な門構えのお寺が。
石碑を見ると「金森宗和墓所」との事で、門からは抜けるような青空とはるか遠くに比叡のお山が。
これは!と思い、自転車を停めてみました。
金森宗和とは、江戸時代初期の茶人で、飛騨高山城主金森可重(かなもりありしげ・千利休について茶の湯を嗜んだ)の子で、父に勘当された事から京都へとおもむき、茶の道に入りました。
その茶風は「姫宗和」と呼ばれる事からもわかるように、“綺麗さび”をモットーとし、公家などに親しまれました。かの名工、野々村仁清を指導した事でも有名で、仁清の作品を思い浮かべると、千家のわびさびの世界とはまた違う“綺麗さび”の世界というのもどのようなものか、想像がつくかと思います。
比叡山を望む立派な門は、あたかもキャンバスに描かれた絵を見るかのようで、“額縁門”と呼ばれるそうな。
このようなお天気の日に、こちらの前を通らせていただけた事をありがたく思いました。


天寧寺石碑 天寧寺石碑裏
石碑は高橋箒庵翁の寄付だそうな。茶人に縁深い寺ですね。

【萬松山天寧寺 -曹洞宗-】
○京都市北区寺町通鞍馬口下ル天寧寺門前町
○開基:傑堂能勝(楠木正成の末男)
○本尊:春日作の釈迦如来像。
*観音堂には後水尾天皇の念持仏聖観音像及び東福門院の念持仏薬師如来像を安置しているとの事。