お盆の間、小さな自坊の境内にも沢山の方々がお参りになる。
檀家のほとんどが近隣の方だが、中には遠方からお参りにこられる方もおられ、約3時間にわたる施餓鬼は、自坊の法要の中で一番にぎやかなものだ。
今年はとても涼しい風が吹いてくれたおかげで、汗だくにはならずに気持ちよく法要をさせてもらえた。
お供えにあった野菜がユニークな形だったので、こんなふうに並べてみたらおもしろい組み合わせができた。
夕方、墓経を終えて、ようやくひっそりした境内を歩いていると、玉砂利の上に黒い大きな塊が……。
弁天堂のある池に住んでいる石亀が産卵しているのである。後ろ足で上手に砂をかきわけて、深い穴を掘り、そこに産卵するのである。
親亀が何匹いるのか、普段は姿を見せないのであまりわからないが、今頃の時期になると、境内にポコポコと穴があき、産卵した跡を見つけることができるし、運がいいと、こうして、産卵しているのを見かけることもある。
翌朝、境内で姪っ子たちが賑やかにしているので、見に行ってみたところ、今度は子亀がいるではないか。
もちろん夕べの産卵で生まれたものではないのだろうけど、タイミングよく、子亀まで見つけてしまった。
亀は万年の命がある吉兆のしるしといわれるが、お盆にいいしるしに出会うことができた次第。