三重県名張市の木地師さん -加計仏具店-

修復する仏像

よくお世話になっている恩人の案内で、素晴らしい木地師さんの仕事を拝見させていただきました。
“木地師”と聞くと、皆さんはどのようなお仕事を想像されますか?
私は一番に浮かぶのは、漆を塗る前のお椀やお盆などの原形を作る職人さんでした。
今回は、仏壇仏具、その他寺院神社などに関係する多くの物をお作りになられている木地師さんです。
様々な職人さんのお仕事を拝見していますと、「職人さんの仕事には規格というものが無い分、本当に自由で幅広いなぁ……」と思う事が多々あるのですが、まさに今回もそうでした。
【加計仏具店】
代表作は、知恩院さん所蔵の『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』を図像化した「観経曼荼羅(かんぎょうまんだら)」の軸を、厨子におさめ立体的にあらわした立体曼荼羅の木地制作です。軸に描かれている世界を立体的に…なわけですから、その仕事たるや、素人の理解の枠は超えに超えていました。
言葉では表現できませんので、HPの画像をどうか一度ご覧になってみてください。HPの納入例のページには、実際の立体曼荼羅の画像もあります。
木地の部分を加計さん親子がお作りになり、その他に、塗師や彩色師、仏師など様々な職人さんの手が加わって漸く完成をみる、後世にずっと伝えていきたい日本の仕事です。
たくさんの彫刻刀 たくさんの小さなカンナ


仏壇 仏壇

現在制作中のものに、個人から依頼を受けた仏壇もあります。八角形のお厨子のようになっており、それは見事です。木地部分が出来上がった後、塗師により漆が塗られる為、全てにおいて少し透間をあけて作っておられるとの事。
現代にも信心深き富豪がおられるのだなぁ…といたく感心してしましました。
また、木地師の仕事とは思っていなかったのですが、実は古い仏像の修復もなさっています。
一番最初にご覧に入れました写真は雨乞いの仏像。村人達が干ばつに悩んだ際には池に沈めて雨乞いをしたそうな。不思議な事にそうすると雨が降ったのだとか。大切に守られて着た仏像が今ここで蘇ろうとしています。
その他曲彖(きょくろく・寺院でお坊さんが座る椅子です)の修復なども。なにせ“木”にまつわる事なら何でも相談に乗って下さいます。また、お仕事についてをお話されている時のご主人の楽しそうで嬉しそうな事と言ったら……。仕事にお人柄がにじみ出ているようでした。
私も非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。
また名張に遊びに行った際にはお邪魔したいと思います。
ブログをご覧になられているご住職様方、お願いすれば修復から新しいものの製作まで、何でも相談に乗って下さいます。いかがですか?
光背をつけます
修復中の仏像。光背も新しく作られます。

扁額
できあがった扁額。釘は一本も使いません。

-加計仏具店-
〒518-0622
  三重県名張市桔梗が丘2-5-18
  フリーダイヤル 0120-293732