朝夕に秋の気配が漂う8月25日、中国とフランスに向かい二つのグループが関西空港から旅立った。
一つは、平成10年から臨黄友好交流協会が中心になって進めている第7回「日中禅僧交換交流」である。今回は、広東省深蝨ウ市にある弘法寺で、相国寺(京都)、瑞巌寺(宮城)、永平寺(福井)から派遣された6名の修行僧が中国人僧と寝食を共にし10日間の修行体験を行なう。
もう一つは、禅文化研究所が事務局になって進めている第11回「東西霊性交流」で、現地での合流を含め6名の禅僧が、フランス国内にある3つのカトリック系修道院に分かれて2週間の僧院生活を体験し、シンポジウムを終えて帰国する。
同じ禅宗でも日本と中国では随処に修行形態の違いがある。ましてキリスト教との差は歴然である。しかし、同じ食事をし、同じように祈りと労働に参加するという実体験によってその宗教を理解することができる。また、他の宗教を知ることによって自分たちの宗教を見つめなおすことにも繋がるのである。
彼らたちが体験を通して何を得て帰ってくるかを期待したい。