9/18のブログでお知らせしたように、去る9月27日に、インドから若きタブラ奏者のアリフ・カーン氏が初来日し、京都市西京区の福成寺の竹林で、シタールの田中峰彦氏とのミニコンサートがあった。
コンサートを見に行くことにしたところ、今回の来日に深く関わっている人が、研究所に以前勤務していた方の奥方ということもあって、少々お手伝いを頼まれることになった。
彼と彼のインド側のプロデューサー的存在の女性を京都市内のホテルでピックアップし、車で会場のお寺に連れていき、コンサートの時にはカメラマンになってほしいとのこと。
そんなわけで、しばらくの時間では有ったが、直接、下手な英語で話をしたりして、コミュニケーションもはかれた。もしインドにいく機会があったら、きっとお世話になれそうなことに……
それはさておき、オープンエアで竹林を背景にしたミニコンサートは、約40名ほどの聴衆の中でアットホームな雰囲気のなか始まった。
シタールの田中氏から楽器やインド音楽の説明をしていただき、あのシタールの奏でる独特なインド音楽と、初めて目にする、タブラという打楽器のリズミカルかつメロディアスな音に魅入られて、あっという間の1時間半だった。
後で調べたのだが、彼が叩いているのは、タブラという高音用(木製)と、バヤという低音用(金属製)の2種類の太鼓で、あわせてタブラバヤとも言われることもあるようだ。
タブラの方は五本の指先を器用に動かし、目にとまらぬような速さで打っている。大きな方のバヤも指先でも打っているが、掌を使って「ヌ~ッ」とした音程かわる音を出したりもして、とてもユニークだ。
途中でアリフ氏自身が話していたが、とても古典的な技法に加え、現代の音楽の要素も組み入れたり、ラテン的に打ったりもしているということで、フュージョンとも言えるようだ。
演奏された曲は4曲だったが、それぞれが長い曲だった。コンサートのあとで田中氏に尋ねたところ、やはりテーマがあってあとはすべてアドリブだということだった。シタールがアドリブの時にはタブラがキープし、タブラがアドリブでパフォーマンスを見せるときには、シタールがキープするということのようで、そのやり取りがとても刺激的で、チャーミングともいえるアリフ氏の撮影をしつつ楽しく聞くことができた。
竹藪の笹が風に揺れて、その風を感じながら聞く音楽は、まるで夢見心地だった。
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