先日、三島龍澤寺の心鏡室・鈴木宗忠老師のもとで修行した者の会下会(えかかい)に参加した。平たく言うと、修行道場のOB会といったところ。同じ釜の飯をいただいていた人達が、年に一度こぞって親睦を深めるのだ。
もちろん、自分が在錫(在籍)していたときには既に道場にはおられなかった人達も大勢おられるが、時は違っても、同じ師匠のもとに参じていたわけであるし、また道場の法要などがあると、お手伝いなどに集まるので、顔見知りである。
僧堂という、ある意味閉鎖された特殊な空間の中で、師匠や先輩から叱咤激励されつつ自己研鑚をし、苦労をしたもの同士であるので、私などのように会の中では弱輩もので世代が違っても、まるで仲間のように扱っていただき、とても楽しいひとときを過ごすことができる。
さて、今回の会下会は、和歌山県の白浜より、もうすこし南にある周参見で開かれた。
夕刻に到着すると、お日様が沈む方向が海の方のようなので、宿泊所の前にある海岸へカメラをもって降りてみた。
港にはクルーザーのほかに、長い竿が2本、角のように突き出た漁船がある。これは、ケンケン鰹を捕るためのケンケン船だという。「すさみ」と言えば「ケンケン船」とまでいわれるほど有名になっているとのこと。
道場の先輩が、ケンケン漁の名前の由来を憶測されていたので、帰坊してから由来を探していたら、こちらのページに書いてあった。先輩の憶測はこのなかの一説だから、当たらずとも遠からずだ。
海岸で美しい夕陽にみとれていたら、犬と一緒にお婆ちゃんが散歩している。
犬好きの私としては、連れておられる犬が気になってよくみたら、めずらしい、スタンダードなブルドッグなのだ。
あまりにイカツイ顔なので、お願いして写真を撮らせてもらった。どうです、このぶりッとしたいい面構えは。
海に沈むまで見ていたかったのだが、沈むほど雲があるようで、まん丸い太陽の形が滲むように見え出した。そろそろ夕食の時間だ。
そういえば、日航機事故をえがいた、『沈まぬ太陽』という映画が封切りされているのを思いだした。途中に休憩時間が入るという長編映画を是非観に行かねば。