日本語IMEについて -Google日本語入力出現-


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我々日本人が普通にパソコンを使う上で、切っても切り離せないのが日本語IME(アイエムイー)。簡単にいうと、日本語を入力するためのソフトである。
そもそも日本語のWindowsパソコンには純正の日本語IMEが付属している。それがMS-IME(エムエス-アイエムイー)というものだ。
ワープロソフトの「一太郎」を使っている方は、およそ、ATOK(エイトック)という日本語IMEを使っておられることだろう。これは「一太郎」を制作販売しているジャストシステムの作った日本語IMEである。
そして今や、Windowsの日本語IMEといえば、MS-IMEとATOKが主流となってしまった。
実は私を含め、禅文化研究所の職員の中には、これ以外の日本語IMEを使っているものが少なくない。それは、VJE-Delta(ヴィジェーイーデルタ)という日本語IMEなのである。パソコン歴の長い方はご存じの方も多かろう。
VJEは、バックスという会社が制作販売していた日本語IMEなのであるが、数年前に本製品の開発とサポートを終了してしまったので、今はもう販売されていないしアップデートもないという代物だ。
では、なぜ、まだこんなものを使っているのかというと、20年以上にわたって使ってきた辞書の蓄積があるのが一つと、他の日本語IMEではできない唯一の機能があるからなのである。
MS-IMEにしてもATOKにしても、それぞれキーボードのキーの機能の割り当てが違う。そもそも、日本語キーボードには、[変換][無変換]のキーがあるのにもかかわらず、ATOK等ではスペースキーで漢字変換するのが、とても違和感があるのだが。
しかし、オプション機能を使えば、例えばMS-IMEなのにVJE風のキー割り当てに変えたり、ATOKなのにVJE風のキー割り当てに変えたりすることもできる。
ところが、どちらのIMEもVJE風にはなるが、私がこだわっているキー割り当てができないのだ。
VJEを使ったことがない人にはわからないことなので説明しにくいのだが、直前に変換確定した文字列を、例えば、改行を打った後に[無変換]キーを押すだけでもう一度自動入力できるのだ。これは慣れると、いたって便利な機能なのに、VJE以外のIMEでは採用されていない。
これが、他のIMEに移れない理由の大きな理由だ。
そんな中、つい先頃、主に検索サイトとして有名なGoogleから、日本語IME「Google日本語入力」が無償配布されはじめた。



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仕事柄、こういうことに目ざとく反応する私としては、さっそく試しに、自分のPCにインストールしてみた。
そして、まずはキーボード設定オプションを変更仕様として、愕然とした。
先に述べたようにキー設定を変えられるのだが、MS-IMEやATOKの選択肢はあるが、そこにVJE-Dの文字がなかったのだ。
というわけで、仕方なくカスタムを選択し、試行錯誤しつつVJE-D風に仕上げてみた。が、やはり上記のお気に入りの機能を設定することはできなさそうだった。
それはさておき、辞書はなかなか優れものだ。さすがGoogleらしく、WEB検索で使われた用語を辞書に使っているので、例えば、「ぜんぶんか」まで入力すると、変換候補に「禅文化研究所」とでてきたり、「にしむらえ」まで入力したところ変換候補に「西村惠信」と出てきた。
「わかった」と入力したら「わかったさんのおかしシリーズ」という変換候補が出てきたり、「あじの」まで入力したら「味の素ゼネラルフーヅ」と出たりするが、「ぶっしゃ」と入力しただけで「仏舎利塔」と変換できたり「だいえそ」までで「大慧宗杲」という禅僧の名前まで出てくるのである。
というわけで、しばらく遊ばせてもらったが、結局VJE-Dに戻して使っているといった次第。
でもGoogleにVJEにしかなかった機能を付けて欲しいと要望するのもありかもしれない。