百済寺から車で北に10分ほどのところに、同じく湖東三山の一つ、金剛輪寺がある。
ここも天台宗開宗1200年にあわせ、秘仏「聖観世音菩薩」のご開帳を行なっている。
ここは、当時の住僧の機転で、寺の上の山林に自ら火をつけ、本堂が焼け落ちたと偽って、信長の焼き討ちから逃れたという。
赤い風車をつけたお地蔵様が並ぶ参道を登っていくと、ようやく本堂にたどりつく。ご開帳ということで多くの参詣者がみえていたが、線香の香りのたちこめるなか、じっくりと美しい聖観音様の尊顔を拝することができた。
この観音様は行基菩薩の作によると言われ、彫刀を進められていると、木肌から血が一筋流れたということから、「生身の観音」と呼ばれ、よって、粗彫りのまま安置され信仰されてきたのである。
もう少し後に訪れると、さぞ紅葉が美しいことだろう。