自坊の隣には神社があり、その神社の境内に植えられた銀杏の木が、毎年、この時期になると黄金色に色づいて美しい。
ただ、その落ち葉の大半は、自坊の参道に落ちてくるので、掃除が大変ではあるのだけれど。
普通の落葉樹の葉のようにからからに乾かず、じっとりと水を含んだ葉は、掃き集めるのも大変だし、集めた葉っぱを運ぶのも大変ではある。
だが、銀杏の木は水を多く含んでいるので、寺や神社の境内には、火事の時に水を噴くというような意味合いも兼ねてか、よく植えられるのだ。
ご存じのことと思うが、銀杏の木には雌雄があるらしく、雌雄が揃っていないとあの美味しいギンナンの実はできないらしい。
ギンナンの実は、木から落ちると強烈な匂いを発する。御堂筋に行くと、街路樹の銀杏に雌雄揃っているらしく、道路にギンナンの実が落ちて、それを車が踏み潰して散乱し、その強烈な匂いに圧倒される。雌雄の違いは、葉っぱの形によるという説もあるらしいが、科学的根拠はないようで、どうもはっきりしないらしい。これも不思議なことだと思う。
それにしてもギンナンは、なんであんな臭い匂いがするのだろうと思って調べてみた。
すると、落ちたあとに野生動物達に食べられてしまって、銀杏の子孫を残せなくならないように、動物が口にしたくないような匂いを発しているという説が有力らしい。ものすごい自然の摂理だ。
ギンナンは銀杏から落ちる実だけに、「胃腸」つながりだというふざけたことを書いているWEBも見えたが……。
あまりにも綺麗に銀杏の葉が落ちているので、愛犬を登場させてみた。まるで、銀杏の絨毯の上にいるようだった。