自坊の三ケ日の祈祷法要を終え、鏡開きもして檀家さんのお家を一軒一軒回礼にまわったあと、今年の初詣にと、京都市伏見区にある伏見稲荷大社にお参りした。
このお稲荷さんは、来年、開闢1300年を迎えるという、お稲荷さんの総本宮である。平城京遷都が今年1300年であるから、その翌年には、ここに御鎮座されたということになる。
三ケ日を過ぎているし午後にお参りしたので、もう少し少ないかと思ったけれども、まだまだ参詣客は多かった。それでも、ちょっとゆっくり手を合わせることができ、気持ちがホッとした。
伏見稲荷大社の奥社への参道には、千本鳥居といって、朱色の鳥居が所狭しと立ち並んでいる。
神聖な気持ちで鳥居の中へと歩き始めると、「とおりゃんせ とおりゃんせ ここはどこの細道じゃ……」という童謡が頭の中に流れてくる。天神様ではないけれど、なにか文字通り神妙な空気に包まれるからだろうか。
しばらく進むと、鳥居の中は参拝客で渋滞となってしまったが、びっちりと立ち並ぶ鳥居のために、トンネル状態で、脇に抜け出るわけにも行かず、みなおとなしく列をなしている。
参道には、多種多様な出店があり、驚いたのはシシカバブを売っている外国人の出店まであったことだが、やはり神社に詣で、こういうお飾りが売っていると、なんとも日本のお正月という気持ちがして楽しいものだ。