新年度に向けた本格的な予算編成の作業を行なっている。
公益法人に課せられた義務なのだが、国や地方公共団体からの助成金で運営している法人と違い、当研究所は特定の寺院からの補助はあるものの、収入の殆どは出版を中心とした事業の収益で運営しなければならない。営利企業と変わらない自助努力が必要なのである。
事業計画に基づき予算書を作成してゆくのだが、収入の見通しは不透明なところが多く、経費を切り詰めるにも限度があり、事業規模の小さな法人とはいえ頭を悩ますことになる。
加えて公益法人制度改革に伴い公益財団法人への移行を目指すことになり、新年度に公益認定に関する書類を提出するための作業も行なわなければならない。この制度改革は、天下りを抱えた公益法人の不祥事が発端となっているのだが、移行認定までの厖大な資料の作成や、認定後も毎年行なわれる審査基準のクリアなど、小さな法人にとっては事務負担も多く、余計な仕事を増やしてくれるなと行政に文句の一つも言いたくなる。
しかし、認定されれば現在税務上では収益と見做されている出版事業が公益事業と判断されることや、会計を含めた情報公開によって法人の実態を広く一般に知ってもらい、活動への支援者を獲得できるなどの利点は大きい。
何かと面倒だなと思いつつ仕事をこなす毎日である。