湖東三山の本尊がご開帳。今回は、西明寺を訪れた。
天台宗の寺院で、平安時代(834)に仁明天王の勅願により、三修上人が建立した寺だという。
湖西にいた三修上人が、東の空に紫色の雲がたなびくのを見て、かけつけてみると、池の中から薬師如来が現われたのだという。その場所に建てられた事もあり、池寺(いけでら)とも呼ばれ、ここの地名も池寺というそうだ。
こちらのご本尊は薬師如来で、脇侍の日光菩薩月光菩薩も非常に美しい。
それにしても、山を登って漸く本堂にたどり着くあたり、百済寺も金剛輪寺もこの西明寺もとてもよく似ていて、私は頭の中で3つを鮮明に思い出す事ができない。
「駄目だなぁ、恥ずかしいなぁ」と思っていたのだが、白洲正子さんの文章にも同じような事が書かれている箇所があり、なんとなく安心したのでここで白状することにした。
ただ、とりわけ西明寺の本堂は美しく、また三重の塔も、私は天下一の美しさではないかと思う。
それもそのはず、あとで知ったがどちらも国宝だそうな。
本堂までの道のりには、苔が非常に美しく育っており、緑の世界に包まれ何とも目に優しい。
ここ西明寺には、9月頃から翌年5月頃まで咲き続ける-不断桜-と呼ばれる桜がある。
樹齢は約250年。地下水が暖かいから咲くのだという。
紅葉の頃だと、桜とあいまって、自然の雲錦模様が見られるわけだ。
ご本尊のご開帳が終わった後には、どうやら三重の塔の公開があるようだ。
少し不便ではあるが、是非また紅葉の頃訪れたい。