東京出張の朝、ちょっと時間があったので、西新宿の中央公園の隣にある熊野神社へ行ってみた。
このブログを読まれている方には、もちろん東京の方も少なくないだろうが、この神社をご存じだろうか。
大都会、あたりには高層ビルが立つ西新宿にあるのだ。
「熊野神社」という名から、和歌山の熊野大社を思いつつ、道路から階段をあがり鳥居をくぐる。
すぐ左手に本殿があり、ちょうど神主さんらしき方が入っていかれるのに遭遇した。その後、なにかの合図の太鼓が鳴り響いた。
社務所前にこの神社のいわれが書かれた掲示板があった。読むと、やはり……。
室町時代、応永年間(1394~1428)に、中野長者と呼ばれた鈴木九郎が、故郷である紀州は熊野三山から十二所権現を、この地に移して祀ったのが起源とされるようだ。
江戸時代には、「熊野十二所権現社」と呼ばれたとも。
しかしまぁ、今となって高層ビルから見下ろされる熊野の権現様には、大変申し訳ないことだ。
八代将軍吉宗は、鷹狩の機会に参拝するようになり、滝や池を擁した周辺の風致は、文人たちも訪れる、江戸西郊の景勝地として賑わったとのこと。
当時はどんな景勝地だったのか、今はその見る影もないが、紅梅がほころびはじめていた。
これは、本殿の裏手にある末社・大鳥三社にある狛犬。腹の下がくり抜きにはなっていない珍しいものだとのこと。
また、江戸時代後期の有名な狂歌師、大田南畝の書による銘文が刻まれた水鉢(文政3年に奉納されたもの)があったりと、朝の散歩としては、ちょっと楽しく興味ふかいものとなった。