御香宮さんの月釜 -京都市伏見区-


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京都市伏見区にある御香宮(ごこうのみや・ごこうぐう)さんの月釜にでかけました。
今月は武者小路千家の木津宗匠がお席をもたれていました。
京都市内のお寺や神社では、毎週のようにどちらかで釜が掛かっています。
自身が学ぶ流派のみならず、気軽に他流派のお茶会へも足を運ぶ事ができますし、亭主お心入りのお道具を拝見し、そのおもてなしに学ぶ所も多く、非常に勉強になります。
だいたいの月釜が、臨時会費1000円を受付にてお支払いすれば気軽に参加する事ができ、大寄せとはいえ、本格的な茶会を毎週のようにどちらかで体験できるというのは、さすがは京都といったところでしょうか。
さて、全国的に3月3日を桃の節句としてお雛祭りをなさる所が多いのだと思いますが、京都では旧暦でお祝いするお家もいまだ多く、今回のお茶席も、桃の節句にちなんだお席でした。
待合の立雛の画にはじまり、お道具にも”赤”が随処に見られ、女子の節句と、皆が心待ちにする春の到来を祝うに相応しい可愛らしく華やいだ空間に、こちらの心も明るく楽しくなるのでした。
また、自身が学ぶ流派とは違うお道具や、そちらの流派の代々のお家元のお好みも目新しく、亭主のお話を興味深く拝聴しました。
お茶を習っていませんとなかなかに参加しにくいものですが、周りにお稽古されている方がいらっしゃるようでしたら、是非一度茶の湯の世界を体験しに連れていってもらって下さい。
“なんだか難しい決まり事が多く、古くさい”といったイメージばかりが先行しがちなこの世界ではありますが、長い時間をかけて洗練されてきた美しく深い世界とは、本当はそのようなものでは無いのだという事や、日本の芸術・精神文化の素晴らしさに少しでも多くの方が気付く事ができたら……と思うのでした。

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