8月のお盆開けに枝部分だけを伐採した自坊の大けやきの幹の部分も、つい先頃、ついに伐採をしてもらった。
秋晴れの日にはさまれた、あいにくの雨の日であったにもかかわらず、重機の予約の都合もあり、10月11日に決行された。前回と同じ兄弟の山師さんたちである。
とてもすばらしい職人技で、まずは上部の枝のあった根本の下で伐り、続いて根本のあたりから伐られた。伐り出された胴の部分の長さは7mあった。
心配していたのは、内部に虫が入っていて、空洞になっていないかということだったが、そんな心配も虚しいほどの、なんともすばらしい色をした幹の切り口を見ることができた。
今更言ってもおそいが、弱っていたのは枝の方だけで、幹はまだまだ元気だったようだ。
年輪はしっかり数えはしなかったが、想像していたほど古くはなく樹齢180年くらいだ。
しかし、この寺の歴史の半分は見てきた大樹であることに間違いはない。
その大木が運び出されていく。用材として使えるようになるには、これから十年後にはなりそうだ。
上部の枝の根元であった部分は、用材には使えないので、寺に残してもらった。
平らな根元の切り株の上に載せてみると、なんとも、まるで掌のようで愉快である。