大和三門跡寺院の一つ、現在は臨済宗妙心寺派の禅寺である円照寺。
普段公開はされていないこのお寺にて、こちらの住職を家元とする華道・山村御流が年に1度、4月の第一日曜に、法要・奉花会と免状授与式を行います。
道の世界に精進する者が集う晴れやかな場でもありますし、禅寺で……という事もあり、厳かでもあるこの1日を楽しみにお邪魔させていただいています。
花展の時より作品数は少ないのですが、教授者の方などが生けられた何点かの作品を目にする事もできます。
花は野にあるように…という生け方は、ごくシンプルなだけに、そのときどきに心に浮かぶ思いは、自分を写す鏡のようにも思えます。“花を見る”とは、自分を見る事なのだなぁ……と、このように思わせてくれるこちらの流派が大好きです。
ちょうど前日、神戸の香雪美術館にて開催中の堀文子展-生命をいつくしむ-に足を運び、あらゆる生命への畏敬の念を新たにしたところで、野に咲く花を大切に扱うこの流派のお花を見る機会を与えられるというのは、今の自分に必要な事だったのであろうと、導きや縁といったものを感じずにはいられませんでした。
これまで気付かずにいましたが、裏の方には数々の花が植えられてそれは立派に花を咲かせていました。
鯛釣草(華鬘草)
花蘇芳(ハナズオウ)
三椏(ミツマタ)
緋桃
貝母とムスカリ(紫)
赤花三椏
山吹
つばき
つばき
花って、本当に良いですね。一生身近に付き合ってゆきたい、無くてはならぬ存在です。