花祭り -お釈迦様の誕生日-


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本日は花祭り。お釈迦様の誕生日です。
仏教寺院では、“仏誕生会”といってお釈迦様のご誕生を祝う法要が執り行なわれます。
お釈迦様は、ルンビニ(現在のネパール)にて約2500年前にお生まれになりました。私も大学の卒業旅行でネパールを旅した際にルンビニを訪ずれましたが、いくつかの国の仏教寺院がある以外は何もないような田舎の村でした。それでも村人はお釈迦様生誕の地に住まう事を誇りに思っているようで、「この村はお釈迦様が一番始めに立ち寄られた村なんだ」などと話していました。
私は僧侶ではありませんが、家には仏壇があり、縁あって研究所にて働き、禅の文化などにも非常に興味があり、宗教を問われたら当たり前のごとく「仏教徒です」と言います。ですが、「仏教徒って?」と聞かれた時、どう答えようかと迷う事も正直あります。
ある日、深い悩みを持ちながらも漸く立ち直った知人が言いました。
「お釈迦様が悟って下さった時点で、既に我々はもう救われているんだよね。安心(あんじん)を与えられている。同じく達磨さんが壁に向かって9年坐って下さったのも我々の為だよ。本当にありがたいねぇ。私達は既に救われているよ。だからちょっと私みたいに道に迷って不安定になっても、こうやって今大丈夫でいられるんだ」と。
宗教・精神医学・哲学・古今東西の文学・芸術に関する書などを読みあさり、苦しみ悩んだ末に穏やかな顔で話す知人を見て、「辿り着いたのだなぁ、もう大丈夫だろう」と思いながらも、「なんとなく仏教徒」な自分を恥ずかしく思いました。自分はあそこまで腹の底から「ありがたい」と思えるだろうか……と。
それでもやはり、「あぁ、お釈迦様ご誕生の日なのだな」と思うととても嬉しく有難い気持ちになるのは嘘ではなく、今日をお祝したい気分なのです。