奈良 富本憲吉記念館


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大正・昭和を代表する陶芸家、富本憲吉。
かねてより気になっていた富本憲吉記念館を訪れた。
古いお宅の並ぶ静かな住宅街の中にそこはあり、昔とそうは変わらぬであろう邸宅跡に感慨深いものがあった。
家人より、始めて富本憲吉の作品写真を見せられた時、「自然界にある羊歯(しだ)の模様が、彼の手にかかるとこのような美しさを引き出されるのか…。普段何気なく見ているものの中に美を見出すとは、こういう事なのか……」と感激したのを覚えている。
また、金・銀・赤という華やな色を使いながらも、どこか懐かしい落ち着いた風情を醸し出しているのは、彼の原点がこの奈良にあるからなのだろうか……民芸の人との交流からだろうか……と、今回邸宅跡を訪れて思った。

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今までは、代表的な作品や、比較的人気の高いもの(晩年作品)を骨董屋(昔、阪急百貨店梅田本店内に骨董店街があった時など、たまにその作品をみかけました)でみかけるのみだったが、今回は時代ごとにその作品の変化を見る事ができ、住む場所や人との出会いによって変わってゆく作風が興味深かった。


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案内の看板もこのとおり。“民芸”を感じる。

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やはり“民芸”つながりだからか。韓国の石像が何体かお庭に点在。奈良の古い家ととてもマッチしている。
本当に彼を好きな人しか訪れそうもない、生駒の古い地域にあるひっそりとした記念館、こういう記念館の風情が大好きである。