本ブログで何度か書いたが、今年秋に愚堂東寔禅師の350年遠諱が営まれる。その愚堂禅師が開山された寺院の中の一つに三重県伊勢市の中山寺がある。
伊勢神宮の外宮に近いところにある、この寺院は臨済宗妙心寺派に属し、当時はこのあたりの本寺であった。
愚堂禅師遠諱記念事業に関わるうちに、この中山寺の御住職・中山義彦師から依頼を受け、弊所は、愚堂禅師の法嗣で当山の第二世・雪潭豊玉禅師の語録の訓読注釈、ならびに什物の図録を作ることを承った。
そんなことで、先般、ご所蔵の什物や山内諸堂の図録写真撮影に、中山寺を訪ねた。
まずは新緑鮮やかな境内を撮影。
本堂と庫裡の他に、鎮守堂、不動堂、地蔵堂、天神堂と、諸堂があり、鎮守堂には権現さんが祀られていたり、愛染明王や観音様も一緒に祀られている不動堂は、以前は経蔵だったとのこと。ご住職のお話では、明治の廃仏毀釈で近隣の寺院が廃寺に追い込まれたため、そこから預かったものも多いということだった。
10時ごろから始めた什物の撮影は夕方5時ごろまでかかったほどで、それでも、江戸末期や明治以降の墨跡は撮影しておらず、選りすぐったものだけであった。墨跡以外にも、御所蔵の円空仏もあり、また雪潭禅師の木像の撮影には一番苦心した。
来年の春に中山寺様で行なわれる雪潭禅師の三百年遠諱に向けて、これらの出版物を制作していくことになっている。