京都伊勢丹の7階にある、美術館「えき」にて、吉村作治先生の40年の軌跡をたどる展示を観に出かけた。>11/26まで開催中。
そういえば、小学生の頃から、「エジプトに行ってみたい!」と憧れを抱くようになったのも、吉村先生の影響だった。エジプトを熱く語る先生の姿は、当時小学生だった私にもとても印象的なものだったのだ。
実際、7年前にエジプトを訪れたが、ピラミッドを目の前に観た時には、ことばは一言も出ず、ただただ、涙するばかりだった。
王家の谷の灼熱地獄にはまいったが、他の国では味わう事のないような太陽の力に圧倒され、この国の人々が太陽神と崇めたのが、わかるような気がしたものだ。
会場に入ると、まずは吉村先生のことばが・・・
それは憧れから始まった。
エジプトに行ってみたいと思った時、「行ける」とか「行けない」とかは考えなかった。
「行こう」と思ったのだ。
父も母も笑って、「大きくなったらエジプトだろうとどこだろうといけるさ」と言った。
担任の先生は「よっぽど勉強しないと無理だ」と言った。
誰もかれも、本当に私がエジプトに行けるなんて思っていなかったのだ。
10歳の時に抱いた夢は次第に形になっていき、ついに12年後、私はエジプトの地にたつのである。
「それは憧れから始まった」ということばが印象的。すべてがそれにつきる気がした。
幼き頃に抱く-憧憬の念-の大切さを改めて知らされた。
科学技術の発展と、吉村先生をはじめ、早稲田大学の調査隊の忍耐力の賜である発掘物。
エジプトの考古学博物館で観るのとはまた違った感慨深さがあった。
ラピスラズリの様な深い青色のミイラマスクと、木棺は世界初公開だとの事。
吉村先生の熱い思いに触れ、またエジプトに旅立ちたくなった。
京都以降のスケジュールは下記のとおり
○長崎・長崎歴史文化博物館
=2006年12月22日(金)~2007年2月14日(水)
○岡山・岡山オリエント美術館
=2007年3月17日(火)~5月13日(日)
○仙台・仙台市博物館
=2007年5月25日(金)~7月22日(日)
○早稲田・會津八一記念博物館(早稲田大学内)
=2007年7月31日(火)~9月9日(日)
○宮崎・宮崎県立博物館
=2007年9月22日(土)~11月18日(日)
○札幌・北海道近代美術館
=2008年2月15日(金)~3月30日(日)
○熊本・熊本県立美術館
=2008年4月10日(木)~6月15日(日)
○東京・古代オリエント博物館
=2008年6月27日(金)~8月31日(日)
吉村作治のえじぷとぴあ より