第9回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅2 -閑臥庵 昼食と講演-


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ひきつづき、禅と文化の旅のご報告です。
島原角屋もてなしの文化館をあとにし、お次は上京区にある黄檗宗・閑臥庵へ。
こちらの寺院は、江戸時代前期に後水尾法皇御自らが閑臥庵と命名し、王城鎮護のために貴船の奥の院より鎮宅霊符神をこの地に勧請し、千呆性侒(せんがい・しょうあん)禅師により開創されました。
後水尾法皇ゆかりの品々も本堂に展示されています。



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皆で般若心経をお唱え。普段は本堂内は撮影禁止ですが、禅と文化の旅の皆さんはどうぞと写真撮影を快くお許し下さり、天井の龍図や、チベット仏教僧が作ったそれは精緻な砂曼陀羅などを皆さん写真におさめていらっしゃいました。
さて、今回の昼食は、閑臥庵での普茶料理です。
もちろん精進ですので、肉魚類は使いませんが、例えば「うなぎもどき」…のように、“もどき”料理がわりに多く登場するのが普茶料理の特徴です。

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昼食後は西村恵信所長による講演。今回は『念仏禅について』。下記のとおりでした。
講演『念仏禅について』
Ⅰ、中国の唐代仏教に始まる「自力聖道門」と「他力浄土門」
Ⅱ、宋代に見る念仏と禅の接近(禅の民衆化)
  1.念仏を批判した大慧宗杲(中国宋代)や、白隠慧鶴(徳川時代)
  2.坐禅の一端として念仏を勧めた永明延寿・長蘆宗襍怐E眞歇清了(以上
    中国宋代)や鈴木正三・雲居希膺(戦国・徳川時代)
  3.中国明代の念仏禅を日本に伝えた隱元隆琦(黄檗宗の祖)
  4.一遍上人と法灯国師(心地覚心)の念仏問答
  5.念仏で悟った浄土真宗の妙好人(浅原才市)
Ⅲ、思想としての念仏禅(西田幾多郎・田辺元・鈴木大拙・藤吉慈海)
講演後は、知恩院さんへ。明日につづきます。