活動一覧

中国禅宗史・禅語録研究班

事業活動

Activity

当法人は、設立以来語録研究班を組織し、禅文献のうち最重要とされる中国唐宋代の禅語録を継続して会読している。これらは禅の語録を、唐代・宋代の中国語の口語研究を踏まえ、語彙や文体の変遷と思想史の脈絡にしたがって読解してゆくものである。その成果は、唐宋の思想史解明に新たな観点を提供するもの となり、また、唐宋の口語研究に寄与するものとなる。  参加メンバーは仏教学、哲学、文学、中国語学などの研究者や学生、一般からの参加者などで構成され、学際的な雰囲気の中で研究が行なわれている。
default_image 研究中

唐代語録(『祖堂集』)研究会

〔班長 西口芳男〕講師:衣川賢次(花園大学教授)参加者:川島常明(大通院住職)/松岡由香子(山水庵庵主)/久保讓(禅文化研究所研究員)/鈴木洋保(花園大学非常勤講師)/鈴木史己(南山大学講師)/土屋昌明(専修大学教授)/藤田和敏(相国寺寺史編纂室研究員)/陳菲(花園大学修士前期課程:中国留学生:法名空慧)/羅旌超(花園大学大学院:中国留学生:法名道悟)/王珂(花園大学修士前期課程、留学生)/葛研(花園大学修士前期課程、留学生)/吉本えみり(ヤスイキヨシ事務所)   『祖堂集』は『景徳伝灯録』の編集に先立つこと52年、完存する禅宗灯史の書としては現存最古のものであり、現代の禅に直結する唐五代の禅の資料の古層をなすものとして貴重であります。北宋初期の当時の最高の知識人の刊削裁定を経た『伝灯録』に比べて、野趣に富んだ生の資料を提供してくれるものであり、口語研究の資料としても、近年、とみに注目を集めています。既に40年前、この研究班では、入矢義高・柳田聖山の指導のもとに読まれ、当時の原稿によって『訓注祖堂集』(国際禅学研究所報告第8冊、2003年)として当時の成果が発表されました。現在は『祖堂集』を成立させた福州の雪峰教団の禅師をメインにして深く読み進め、『祖堂集』成立の背景を探ることを目的としています。令和2年度は卷十一の惟勁禅師章(全五則)の第三則より読み始め、越山鑒眞大師章(全三則)、睡龍和尚章(全十五則)の第十四則までの計二十則を読み進んだ。コロナ禍により研究会は後期よりの開催となった。2020 年10/9、10/23、11/13、11/27、12/11、2021 年1/22、2/12、2/26、3/12。※本研究会は、以前は唐代語録研究A班として、入矢義高先生や柳田聖山先生を講師にして、研究を進めておりました。研究対象となった文献は以下のとおりです。敦煌出土文献/初期北宗関係塔銘資料/六祖壇経/菩提達磨南宗是非論/荷沢和上五更転/南陽和上壇語/曹渓大師伝他(昭和40年度)南宗関係塔銘資料/歴代法宝記/達磨禅師観門/悟性論/法性論他(昭和41年度)古尊宿語要(昭和42年度)古尊宿語要(継続)/祖堂集(昭和43年度)祖堂集(継続)(昭和44年度)絶観論/観心論/達磨禅師論/頓悟真宗論/頓悟真宗金剛般若達彼岸法/門要決/禅門経/大梅山法常禅師語録/洞曹語録(昭和45年度)洞曹語録(継続)/信心銘/大匠警策/禅門秘要決/十牛図/祖堂集(昭和46年度)祖堂集(継続)(昭和47~54年度)真字正法眼蔵(昭和55~平成2年度)大慧 正法眼蔵(平成3~21年度秋)祖堂集(継続)(平成21年度秋~)
default_image 研究中

俗語言研究会

班長班員:衣川賢次・西口芳男 禅宗研究の推進を目標とし、禅宗の言語、禅宗の歴史と思想、禅宗文献の研究を主題とする論文、書評等を掲載する。平成5 年~10 年にかけて、日中の中国語学研究者に呼びかけて刊行した雑誌『俗語言研究』を中国四川大学が主(経費負担を含む)となって復刊する。禅宗研究の推進を目標とし、禅宗の言語、禅宗の歴史と思想、禅宗文献の研究を主題とする論文、書評等を掲載する。日本側は監修として参画。 現状 研究中 詳細 平成5 年~10 年にかけて、日中の中国語学研究者に呼びかけて刊行した雑誌『俗語言研究』を中国四川大学が主(経費負担を含む)となって復刊する。禅宗研究の推進を目標とし、禅宗の言語、禅宗の歴史と思想、禅宗文献の研究を主題とする論文、書評等を掲載する。日本側は監修として参画。 班長班員 衣川賢次・西口芳男
default_image 研究中

『神会語録』研究会

班長:西口芳男班員 衣川賢次(花園大学教授)/中島志郎(花園大学教授)/北畠利信(花園大学非常勤講師)/松岡由香子(山水庵庵主)/千田宗琢(花園大学非常勤講師・国際禅学研究所研究員)/久保讓(禅文化研究所研究員) 敦煌写本禅宗文献の中で最も重要なものの一つに神会関係のものがあります。神会の語録の校訂本には、つとに、胡適氏、鈴木大拙氏のものがありますが、敦煌博物館本やいくつかの断片写本が出揃うと、従来の校定には限界のあることがわかり、新たな定本、正確な訳文、詳細な注釈の作成が待たれていました。本会ではこの点を重視した読解を進めていきます。令和2年度はコロナ禍のために休会。 ※本研究会は、以前は「唐代語録研究B班」と称し、入矢義高先生を講師にして進められてきました。研究対象となった語録は以下のとおりです。『馬祖語録』(昭和55~58年度)『玄沙広録』(昭和59~61年度) 『玄沙広録』上・中・下として公刊。『南泉語録』(昭和61~平成1年度)『睦州語録』(平成1~3年度)『百丈語録』(平成4~5年度)『達磨三論』(平成6~8年度)平成9年度より、神会研究を行なっている。平成18年6月、『神会の語録 壇語』を公刊。
default_image 研究中

『景徳伝灯録』研究会

班長 西口芳男班員 衣川賢次(花園大学教授)/松岡由香子(山水庵庵主)/久保讓(禅文化研究所研究員)/三浦國雄(大阪市立大学名誉教授)/土屋昌明(専修大学教授)/下定雅弘(岡山大学名誉教授)/末木文美士(国際日本文化研究センター教授)/齊藤智寛(東北大学教授)/石野幹昌(名古屋大学大学院博士課程)/亀 滋廣(静岡沼津臥雲寺副住職)/岡部 恒(株式会社 恒英 代表取締役)/中西久味(新潟大学名誉教授) 禅語録中、最も基本的かつ重要な文献である『伝灯録』全30巻を、近年の日中両国の中国口語史研究の成果を踏まえて、千八百の古則公案といわれる問答の一つ一つの意味を解明することに重点を置き読解を進めています。