第16回 東西霊性交流
事業活動
Activity
日付 | 2023/10/27 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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場所 | 正眼寺(岐阜)・天龍寺(京都)・愛知専門尼僧堂(愛知) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
詳細 |
今回の交流は、フランス、ドイツ、ベルギーの修道院から、4名の修道士・修道女を迎え、各僧堂での修行生活を体験し、花園大学で報告会を行いました。 10月4日に行われた報告会には、松竹寛山禅文化研究所理事長、栗原正雄花園学園長、宝積玄承京都国際禅堂師家、阪上宗英天龍僧堂師家をはじめ、正眼僧堂、天龍僧堂、愛知専門尼僧堂の役寮3名が出席し、過去の霊性交流参加者や関係者らが傍聴しました。通訳はトーマス・カーシュナー氏と正眼寺の慈雲氏が務め、中川弘道禅文化研究所事務局長の司会で進行しました。 報告会は、修道士、修道女4名が一人ずつ感想を語った後、受け入れ僧堂の役寮がそれぞれ感想を述べ、休憩を挟んで質疑応答の時間を持ち、最後に総括を行いました。 第1回霊性交流から携わっている宝積老師は、長い歴史の中で、キリスト教世界が仏教に門戸を開いてくれたのは非常に画期的なことと語り、交流の継続を望む発言をされました。 日本側、欧州側共に組織の問題が課題ですが、諸宗教間の対話は世界平和に繋がる要素であり、霊性交流の存在はますます重要となってくるでしょう。 正眼寺にて
報告会 参加者のプロフィールと体験の感想 ・僧院歴:2004年~ ・僧院での仕事:司祭であり、料理を担当し、修道院の季刊誌『プレザンス・ダンカルカ』を編集し、バームの製造を手伝っている。 ・参加理由:上司にこの交流に参加するように言われたからです。 ・参加しての感想:2週間の経験は、自分にとって影響のある期間で宗教的な自由さを感じた。禅堂では言われたことに迷わず従うが、それは神に従うのと同じこと。キリスト教に対する自分の従順さを確認できた。毎日の坐禅や作務など、生きている公案を体験し、やるべきことをやって専念する気持ちになった。他の宗教の修行者が頑張っているのを見ると自分も頑張らねばならないと思う。 ヒュベール・デュ・スレメーン修道士(ラ・ピエール・キ・ビレ修道院) ・僧院歴:1978年~ ・僧院での仕事:特別な役職はなく、その時に必要な仕事をするだけである。 ・参加理由:私は毎日坐禅をしているので、修道院長からこの交流会に参加するよう勧められました。この経験によって、坐禅の実践を内側から知ることができました。 ・参加しての感想:正眼寺での体験は、坐禅だけでなく全体のバランスがあった。どんなことも神に関わっていると感じた。仕事は違うが一生懸命にやることの大切さに気づいた。天龍寺では、(寝泊まりも)禅堂の生活で厳しかったが、皆さんが親切でやり遂げることができた。一番楽しかったのは茶礼の時間。僧堂での合理的なやり方は参考になる。 マヌエラ・シエイバ修道女(アブテイー・セイント・ゲルトルッド修道院) ・僧院歴:1988年~ ・僧院での仕事:教師、イコノグラファー、修道院長協議会のメンバーである。 ・参加理由:私は、キリスト教以外の僧侶や尼僧がどのように生活しているのか、特に仏教の僧侶や尼僧に興味があります。私はベトナムの禅マスター、ティク・ナット・ハーンのもとで修行していた尼僧や僧侶数人と20年来の友人です。 ・参加しての感想:皆さんのホスピタリティに感動した。最初から最後まで食事の作法は大変だった。食事はイエスの血となり肉となるとの教えの違いを感じたが、後になってそれは教育の一環だと気づいた。 自分も茶礼が好きだが、それは普段の厳しさとのオンとオフだと感じた。暑さや睡眠不足の中での作務はすべきでない。雲水の動きの早さに感動したが、それは修行に無駄がないことだ。 愛知尼僧堂では、尼僧たちとゆっくりと話ができた。手巾を水引の喩えとした話は感謝の気持ちを表したもの。祈りと労働、坐禅と作務、違いはあるが、今あることに一生懸命にすることは同じである。 ババラ・ベルヘルスト修道女(ペティット・ベギナージェ・プルリエル修道院) ・僧院歴:2002年~ ・僧院での仕事:パン職人であり、聖歌隊のリーダーでもある。 ・参加理由:私は、人々が人生の意味を求めるさまざまな道に非常に関心があります。私たちはみな兄弟姉妹であり、人類がこれから存続するためには、スピリチュアリティに焦点を当て、互いに学び合う必要があると信じています。ピエール・ド・ベチュヌ神父から、日本で開催される東西霊性交流会に参加しないかと誘われ、私は飛び上がるほど喜びました。 ・参加しての感想:私は足に持病を抱えており、精神的にも体力的にも大変な体験だったが、皆さんのホスピタリティに感謝したい。受け入れることは禅の中で大事だと気づいた。青山老師は90歳にもかかわらず拝ができるのに、私はできなかったことを恥じている。苦行のやり方に感動したが、体を大切にして修行を行うのか、体を捨ててまで修行を行うのか、私の中には迷いがある。体と心を一つにすることが大事である。僧堂には強い伝統がある。21世紀において、伝統は大事だが、男女格差、上下格差などが存在し、何が大事かを考えている。山川老師との相見では、自分が自分の中で自分を見つけることを教えていただいた。愛知尼僧堂では、青山老師の雲水への接し方に感動した。
スケジュール
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