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建仁寺「生誕100年記念 小泉淳作展」レポート

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2024/09/18
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大本山建仁寺の本坊と塔頭・禅居庵で開催されている「生誕100年記念 小泉淳作展」へ、足を運んできました。
境内の「潮音庭」は何度観ても緑が美しく瑞々しいですね。心が浄化されるようです。


小泉淳作(1924~2012)は、建仁寺法堂の『双龍図』を制作した日本画家で、各地の寺院の天井画や障壁画などの大作を手掛けました。今回の展覧会は小泉淳作の生誕100年を記念して開催されました。
龍の絵は知っていても、作者のことは詳しく知る機会があまりなかった(?)ように思いますが、小泉氏ゆかりの建仁寺で、初期の作品から晩年の作品まで一同に作品が並ぶ貴重な展示です。


東大寺本坊の襖絵「蓮池」は、全40面に及ぶ大作でした!今回の展示のために特別に奈良から移設して公開されていました。金泥一色の背景と、力強く描かれた鮮やかな蓮が圧巻です。


襖絵「しだれ桜」は桜の花ひとつひとつが描かれた繊細さと迫力を併せ持った作品。木の華やかさや生命力に圧倒されました。


その他、細密に描いた花や野菜の静物画なども観ることができました。(禅居庵にて)
非常にさまざまな作風の方だなという印象でしたが、緻密な書き込みと力強い筆使いを両立させた独自の世界観が特徴でした。静物画はまるで触れそうなほどの繊細な描写と質感があり、そのボリューム感や陰影に目を奪われます。


もちろん法堂の『双龍図』も拝見できました。
この『双龍図』は70代後半にもなる小泉氏が、2年におよび北海道の体育館を貸し切って制作された様子が上映されておりました。2002年に奉納された作品とのことで、制作風景や、天井に貼られている様子が映像で残っているのですね。
空想の生き物でありながら、髭や鱗の細部まで非常に細かく描かれております。ダイナミックで躍動感が溢れる龍は、ただただ圧巻でした。

会期は9/23まで。建仁寺の空間で観る、エネルギー溢れる作品の数々をぜひ体感してみてはいかがしょうか。

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