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一休フォーラムが開催されました
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2024/11/11
催し物・レポート
2024年11月10日、今年も「一休フォーラム」(主催:花園大学国際禅学研究所、協賛:禅文化研究所・東京禅センター・臨済宗妙心寺派教化センター)が開催されました。登壇されたのは、芳澤勝弘先生(花園大学国際禅学研究所顧問)、飯島孝良先生(同所副所長)、辻浩和先生(立命館大学文学部教授)。辻先生は中世の遊女や芸能者に大変造詣の深い研究者のおひとり。禅学と異分野との交流も、このフォーラムの醍醐味のひとつです。
今回のテーマは「一休と女性たち」。貴人のみならず遊女や盲人芸能者など、室町期の禅宗界に出入りしていた様々な女性や彼女たちの職業を学ばせていただきました。辻先生によると、室町時代は文献における女性についての記述が減るそうです。その点、『狂雲集』には一休の側に居る女性のことが詳細に記されており、歴史学的にも史料的価値が高いとのこと。先生がたのお話を伺うことで、森女や御阿姑(おあこ)といった人々が、自然と身近に感じられてきます(写真は芳澤先生の講演の様子)。
個人的に興味深かったのは、一休さんが「匂い袋」や「雛人形の着物」など女性にかかわる小物作りのアルバイトをしていたというお話です。しかも砧(きぬた)を打って手を痛めたなどの記述もあるといい、「怪僧」などと言われる世間のイメージとかけ離れた繊細な一面は大変新鮮に感じました。
三本の講演、鼎談、新出史料のご紹介もあり、フォーラムは盛況のうちに終了。会場の学士会館は本年12月末をもって休業、惜しまれつつも改修(新館部分は解体)が決まっており、今回はそういった意味でも貴重な機会となりました。5年後の一休遠諱に向け、「一休フォーラム」はますます活況を呈しています。次回はどのようなお話が伺えるのでしょうか?
ぜひ皆さまもお運びくださいね。