荒木見悟 著
A5判・288頁
ISBN978-4-480-32317-0 C1315
十二世紀なかば、外敵の侵入と国論の分裂により、空前の危機に見舞われた中国民族の精神的混乱を、禅の威力によって根本から収拾しようとしたのが大慧宗杲の公案禅であり、動揺する官僚知識人のさまざまな疑問に答えた彼の書簡六十余通を収めたのが『大慧書』である。そこには禅的主体による歴史的形成作用の可能性と独自性が、強い自信をもって語られており、激動期に処する人間への不滅の示唆を読みとることもできるのである。
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