白隠禅師法語全集 第13冊 粉引歌 坐禅和讚・ちょぼくれ他

KONA
日本臨済禅中興の祖、白隠慧鶴禅師(一六八五~一七六八)が書かれた小編の法語等をおさめる。
 前半に、俗謡、ちょぼくれ、和讃などの形式のもの十五種をおさめた。ちょぼくれ、俗謡などは、俗耳に入りやすい戯作ともいうべきものではある。しかし、そこにまた、禅師の真面目を見て取れるものが少なくない。容易に見てはならないであろう。
 白隠禅師は民衆に対して分かりやすく教化した禅師である、というようなことが従来よくいわれているが、それは、禅師にこのような著作があることと関わるのであろう。しかし、形式は「戯作」調ではあっても、そこに書かれている内容は、決してやさしいことではなく、むしろ高遠なものであることが、本書所収の幾篇から見てとれるであろう。
 また、これらの小編の中には、果たして禅師みずからが実際に著作されたものであるかどうか、疑わしいものもないではないが、ここでは、従来、禅師の作として伝えられて来たものはすべて収録した。
 後半には、禅師の和歌を集めた『藻塩集』と、画賛を集めた『揺艪船』をおさめた。

衆生本来佛なり、水と氷のごとくにて、
水をはなれて氷なく、衆生の外に佛なし、
衆生近きを不知して、遠く求るはかなさよ、
たとへば水の中に居て、渇と叫がごとくなり、・・・
「白隠禅師坐禅和讚」より

訳注 芳澤勝弘   四六判 420頁 2002.2.20 発行
ISBN978-4-88182-143-5 C0015

【もくじ】
お婆々どの粉引き歌
寢惚之眼覺
御洒落御前物
安心法興利多々記
福來進女
見性成佛丸方書
御代の腹鼓
大道ちよぼくれ
おたふく女郎粉引歌
施行歌
子守唄
草取唄
坐禪和讚
善惡種蒔鏡和讚
孝道和讚
藻鹽集 付 搖艪船
解説
藻鹽集搖艫船
お婆々どの粉引き歌(原本影印)
安心法興利多々記 (原本影印)
藻鹽集 附搖艫船(原本影印)
在庫あり
2,860  (税込)
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「壁訴訟」……三島代官伊奈半左衛門の善政をたたえ、宿場役人に代ってその留任を願う内容。各地に起こっている一揆に触れ、蜂起せざるを得ない百姓に同情を示す。訳注 芳澤勝弘 四六判 358頁 1999.5 発行 ISBN978-4-88182-131-2 C0015
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