白隠禅師法語全集 第9冊 遠羅天釜 上・中・下・續集

ORADE
◆内容紹介◆
巻之上
肥前蓮池藩主の鍋島直恒に与えた法語。内観による養生法を具体的に説き、坐禅中だけでなく、日常生活における「動中の工夫」の重要性を示したもの。すなわち、さまざまな社会生活をしながら、出家者と少しも変わらぬ道果を得られるのだと、「欲界にあって禅を行ずる」法を述べ、在家禅を指南した一書である。その養生法については、禅師のもう一つの代表作である『夜船閑話』とあわせ読むことによって、より理解を深めることができるであろう。

巻之中
病気で臥せっている修行者に、病中の工夫について示したもの。その大部分が、白隠が若いときに、信州飯山の正受老人から教諭された内容である。正受老人の教化を知るための好資料でもある。

巻之下
法華経の心髄を説いたもの。法華経の至極の旨は、つまるところ「心」の一字に帰する。心外無法、三界唯心、万物と一体である自己の真性、自心の妙法、この法華の真面目を見届けよ、とすすめる。白隠の法華経観を端的に示した好篇である。

続集
念仏と公案との関係について述べたもの。両者のあいだに優劣はないとはするものの、来世に西方浄土に往生することを希望する姿勢をやめて、念仏をも工夫の手段として、見性すること、すなわち自己の心源にある浄土をこそ見届けなければならないとすすめる。
 末尾に付された「客の難ずるに答う」は、白隠の弟子である斯経が補説したもの。極楽浄土は方便の幻化であって実体のないものである。白隠禅師が示すのは、そのような浄土ではない。いっさいに遍満している真理としての浄土である。

有でもなければ無でもない。言葉を超えた妙なる心性。具体的な内観法、動中の工夫を通し、人々に本来具わる自性を、はっきり見届けよとすすめる。 
訳注 芳澤勝弘 四六判 696頁 2001.3.16 発行
ISBN978-4-88182-140-4 C0015
在庫切れ
3,630  (税込)
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