十牛図-禅の悟りにいたる十のプロセス

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『十牛図』は北宋の末ごろの廓庵師遠(かくあんしおん)禅師によって作られた者で、人間が本来もっている仏性を、中国でもっとも身近な動物である牛にたとえ、その仏性を求める修行過程が、牧童が牛を飼い馴らすのになぞらえ、十枚の絵とコメントと詩で表現されています。
山田無文著
A5判 180頁 1982.7 発行
ISBN978-4-88182-015-5 C0015

天地の間に求めるものは何もない。飯に会うては飯を喫し、茶に会うては茶を喫するだけだ。飢来たれば飯を喫し、困じ来たれば眠るだけだ。腹がへったら飯を喰い、眠うなったら寝るだけだ。
空を飛ぶ鳥に足跡はない。何もあとに残さない。そのように何もあとに残さないのが仏法である。仏法、仏法にあらず、これを仏法と名づく。これが仏法というものだ。こういうことを信じなければいけないとか、こういう仏さんを拝まなければならんとか、これだけは守らなければならないとか、そういう規約などというものは仏法には何もない。本来の自分の心が分かりさえすればよい。それが仏法である。―本文より―

【もくじ】
はじめに
総序
第一 尋牛
第二 見跡
第三 見牛
第四 得牛
第五 牧牛
第六 騎牛帰家
第七 忘牛存人
第八 人牛倶忘
第九 返本還源
第十 入 垂手
あとがき   河野太通
在庫あり
2,200  (税込)
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