平素は固く門の閉ざされた禅の修行道場(僧堂)内の生活。一歩中へ入れば、そこはまるでいつの時代かわからぬような世界が存在します。薪でご飯が炊かれ、畑には野菜が育ち、大工仕事から裁縫まで、自分達の生活に必要な事はできる限り何でもこなす雲水(修行僧)達。日々、そのような作務(畑仕事その他)から参禅(師匠との禅問答)、坐禅などに打ち込み、古来より現代に到るまで変わらず連綿と続けられている修行生活。
原則として、僧堂を出た者でなければ禅僧にはなれないのです。禅僧の生活力、生きる力の真髄はどこに?! その答えやヒントを本書から見出だす事ができるでしょう。
九六枚の生き生きとした淡彩画で紹介する僧堂の日々。さぁ、門の内を覗いてはみませんか?
* 巻末には旧版を改め、永源寺派管長・道前宗閑老師に、「臨済禅における公案禅の特色」を書き下ろしていただき、さらに、一般には馴染みの薄い専門的な語句の用語解説を加えました。
禅文化研究所ならではの一冊です。
【ためし読み】はこちら【もくじ】
入門篇
初行脚/掛錫/庭詰/投宿/旦過/旦過詰/知客/参堂/安単/相見
日課抄
開板/規矩/開静/出頭/朝課/堂内諷経/常住諷経/典座/飯台看/粥座/茶礼/独参/日天掃除/集米/托鉢/小憩/帰院/斎座/作務/園頭/剃髪/大四九/開浴/祝聖/行道/点心/晩課/晩課掃除/昏鐘/守夜/解定/副司/三応/副随/貼案
参禅録
把針灸治/茶礼出頭/総茶礼/亀鑑/告報/開講/接心/坐禅/止静/警策/喚鐘/入室/仏心行/経行/法鼓/提唱/工夫/夜坐/総参/検単/延寿堂/隠事行/見性
歳時記
除策/加担/半斎/更衣/半夏/饗応/起単留錫/解制/二夜三日/棚経/施餓鬼/彼岸鉢/休息/弁事/款接/加役/大根鉢/漬物/臘八/冬夜/正月支度/大般若/随意坐/交代支度/交代/暫暇/賓接/放行
臨済禅における公案禅の特色 道前宗閑
用語解説